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イリイチは、このヴァナキュラーな活動の中に家庭の主婦活動(あるいは主婦の活動にあたる活動)の多くが分かちがたく入りこんでいることに注目をして、これはこれでシャドウ・ワークと呼ぶことにした。
 そもそも主婦の活動がなければ、勤労者は社会に出て収入を得てくることは不可能だった。だからシャドウ・ワークは主婦の労働価値を中心に形成されている。家庭の外に出て賃労働をして稼いでくる価値は、主婦が支払いなく支えている価値の補完物なのである。けれどもいまや、シャドー・ワークは主婦の労働のことだけをさすのではなくなった。家人や子供の近所づきあいから学生の受験勉強まで、ストレスを受けた「ひきこもり」の負荷から子供たちのファミコン狂いまでをも含んでいる。
 シャドウ・ワークは、名前もなく検証もされないままになっている多数者を差別する領域(domain)なのである。
松岡正剛の千夜千冊『シャドウ・ワーク』イヴァン・イリイチ (via webarc)
via webarc
Posted on Saturday, January 21 2012.
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